サロベツ原生花園は2度目の訪問だ。

この広大な湿地帯には不思議な魅力を感じる。

寄るかどうか迷ったが、結局もう一度この目に焼き付けたい、と立ち寄ることになった。

今回は湿地帯の地下水位の変化と笹の発生具合の関連について観察ができたことが良かった。

帰りは、豊富を周遊して、沿岸道路に戻ろうかと思ったが、あまり違った風景は期待出来ないことから、結局来た道を戻ることにした。

雄大な自然の宝庫「利尻礼文サロベツ国立公園」

水平線まで続く日本一の高層湿原「サロベツ湿原」は、 ため息がでるほど広大で北海道のスケールがそのまま肌で感じられる。

原生花園ではエゾカンゾウ・ワタスゲ・エゾノリュウキンカ・エゾノリンドウ・カキツバタ・トキソウ・ヒメシャクナゲ・ツルコケモモ・エゾイソツツジ・エゾカンゾウが見られる、とあるが、これは尾瀬ハイキング聞いた名前に極めて類似している。

尾瀬に見られるこれらの高山植物が平地の湿原で咲くのは、サロベツは緯度が高いからだ。

植物は太陽エネルギーを吸収して育ち、枯れた後は微生物で分解される。

しかしサロベツでは、土の中の水分が多く、酸素は少ない。

そのために微生物の活動は弱く、完全に腐らず、毎年1mm位ずつ堆積し、泥炭となる。

ササ前線

高層湿原であるサロベツ湿原はミズゴケをベースとする湿原植生を持つことが 特徴的だが、日本海に面する多雪気候に影響を受けるチシマザサ(ネマガリタケ)、クマイザサ、チマキザサなどの分布域でもある。

高層湿原は、水環境の変化に極めて脆弱だそうで、地下水位の変化でササが進入しているらしい。

サロベツ湿原では非湿原性植物である ササやヨシ類が侵入し、ササの密度が高い場所ではミズゴケ類、モウセンゴケなどが減少している。

これらササ類は主に湿原の西側から侵入しており、サロベツ原生花園周辺ではサロベツ川から約1.5 km地点まで及んでいる。このササ群落の先端を「ササ前線」と呼んでいる。

ここでは、非湿原性植生によって高層湿原の植生が失われる可能性があるといわれているが、豊富ビジターセンターの木道を散策することでもはっきりと見ることができた。遊歩道を一周することにより、その実態をカメラに収めるとができた。(下の写真参照)


遊歩道を一周する中で、ササの進入振りを カメラに収めることができた。後方ビジターセンターの建物の向きから、撮影位置が推察出来る。写真は北に向かって撮影しているので、左側が西、つまりササの進入してきている方向だ。

上の行と下の行の左の写真    西の方向には進入したササがたくさん見られる。

   〃       中央の写真  手前にはササが見られるが、奥及び右の方向にはササが見られない。下の中央の写真はササだけのアップ。

   〃       右の写真    ササは見られない。


東側方向では、モウセンゴケやミズゴケガ見られるそうだが、季節的に発見出来なかった。 変わりに上の写真のような植生が見られた。
環境庁は、この自然の変化の様子を、観測器でとらえ、そのデータは無人で刻々と送られている。
このような高層湿原が形成される説明版を、熱心に読みいる。

沿岸道路に出る寸前、日本海に沈みつつある夕日を見ることができた。

その美しさは、私の語彙ではとても表現出来ない。

 

時間は、ちょうど午後5時。