岩内町の海岸線を走っていると、鮭を寒風に晒して乾燥させていた。

これははじめから目指していたのではなくて、網でできたかごがたくさん見られるようになってきたので、「いか」ではないか、と停まって覗いてみることにした。

それがこの鮭トバだったのだ。

網に近づくとトバであることはわかったが、写真に収めるにはよく見えない。道路の向かい側にも人の気配もないので、勇気(?)を持って網戸を少し開けて、写真を撮らせて頂いたのが下の写真である。

鮭トバは古くから保存食としてなじみの深い食品だ。帰道するたびに兄姉からご馳走になった。

鮭は冬になると短冊状にカットされて寒風で乾されるが、この様子が葉っぱに見えたことから漢字で書くと’鮭冬葉’となりこの名が付いたと言われる。

また「とば」とはアイヌ語で「群れ」を意味し、鮭が群れをなして川を遡上する様子からこの名がついたともいわれている。

トバはなかなか噛み切れず、切り裂いて食べるが、なんともこの荒々しさがよく、そうやって食べることで、噛むほどに「さけ」独特の味が口いっぱいに広がる。

海辺に突き出すように、網のかごが続いた。

車を停めて中を覗いてみると、そこには鮭が干してあった。

 

網にくっつけた鼻からは、香ばしい鮭の香りが広がった。初めて見るトバ造りの最前線だ。

トバ造り

1.日本海の新鮮なオス鮭を使う。

2.あがったその日に頭や内臓を取り除く。

3.急速冷凍する。

4.その後自然解凍し、3枚におろして寒風で自然乾燥する。

5.頃合いを見て中骨などを取り、棒状にカットする。

6.再度寒風で自然乾燥する。

寒風浜干し(素干し)、冬の海風を利用。

産地に来るといろいろ納得出来る。

このトバは、最終段階に入っているようだ。

 

兄姉の所では、食べやすくカッティングを入れた商品もあった。その後お店を見るたびに意識して見て来たが、同様のものは発見出来なかった。

皮まで切ってぶつ切りにしたものは多く見るが、皮に付いたままの形で、身だけ切ってあるところが特徴だ。

原形が確認出来ること、むしりながら食べる醍醐味を考えると、今後店に並ぶようになると考えられる。